だむち~だって無知なんだもん~

底の浅い私、さくらだ が気になった主に漫画やアニメ、ゲームをぐだぐだと語っています。

ゲームブックの煌めき、再び?②

さくらだです。


久々に投稿するテーマが「ゲームブック」ということに私自身も「なんで?」と驚きつつ、考えると、やっぱり面白いジャンルだなぁ、としみじみ。


3.ゲームブック誕生前夜??

さて、ということで、ゲームブック誕生を紐解いてみましょう。


もちろん、私はゲームブック作家でも、編集者でもありませんので、これから書き出してみることは予想と妄想のかたまりになってしまいます、すみません!


と、書き出したものの、前回でもお話ししました通り、いきなりゲームブックという媒体が誕生した、と考えるのは無理がある、と思うんですよね。


だって、本のかたちをしているのに、順番に読まない、というのは明らかに本の利点を損なっていますし、さらにパラグラフという場面ごとの文章をシャッフルして順不同にちりばめる、という発想もその労力が何を意図しているのか、正直わからないところです。


これを、いきなり「行ける!」と判断した、とは思いにくい、と。


そうなると、ゲームブックが発生するのもうなずける背景があったんじゃないか、という見方が生まれてきます。



ということで。



ゲームブック「火吹山の魔法使い」が日本で発売された1984年前後で、アナログゲームやPCゲーム、ファミコン、はたまた小説・雑誌で、ファンタジー作品がどのように展開されていたのかを表にしてみました。


もしかしたら、この中にゲームブック誕生のきっかけが隠されているかも。


あ、ここで「ファンタジー」と気楽に使っていますが、SFと同様、定義づけがとても難しい言葉と思いますので、あまり深くかんがえず、フンワリと「あーんな感じのジャンルを言ってるんだろうなぁ」と温かい目で見ていただけるとありがたいです。(笑)



ということで、整理したところ、こんな感じです。
チョイスした作品が偏っていたり、精度が高くないのはご勘弁ください!



思ったより、1984年、濃厚すぎ!!


全体をざっと見て言えるのは、ファンタジー小説は、不思議の国のアリスといった古典的な作品だけでなく、すでに指輪物語やゲド戦記、ナルニア国物語、あるいは国産ファンタジーのグインサーガも登場していて、いわゆる「ファンタジーもの」に興味のある人には、さしたる苦労なく触れられる環境になっていた、ということでしょう。(認知度は今よりもまだまだ低かったでしょうけれど。)


ちなみに、ファンタジー、異世界小説を若者中心に広く浸透させた角川スニーカー文庫、富士見ファンタジア文庫の登場が1988年ごろ(「スレイヤーズ」「ロードス島戦記」「フォーチュンクエスト」などの刊行が1989年)とされていますから、1984年という年は、それらが生まれる萌芽の時期だったのかも知れないですね。



さて、関連ジャンルを一通り横に並べたところで、それぞれのジャンルをもう少しくわしく見ていきたいと思います。



4.まだ国内では存在がファンタジーだった?ファンタジー小説

まずは、小説の分野から。



実のところ、1984年を基準とすると、ファンタジー小説はとうの昔に、1ジャンルとしてそれなりに登場していました。


「世界3大ファンタジー小説」と言われる「指輪物語」「ナルニア国ものがたり」「ゲド戦記」はこの時期にはすでにそろい踏みしていますし(ゲド戦記は継続中)、国内ではなんといっても「グインサーガ」というファンタジー巨編が1979年からスタートしています。


グイン・サーガ1 豹頭の仮面
グイン・サーガ1 豹頭の仮面
早川書房
Digital Ebook Purchas


今回のテーマ、「ゲームブック」からしても、その半分は「ブック」ですので、こういった小説から派生して生まれた、という可能性も考えられます。


・・・でも、それは多分なさそう。



どうしてかというと。


最初に触れたとおり、どうも、当時のファンタジーは「それなりに」登場していた感じで、海外でブームがあったかはさておき、国内では、まだまだファンタジーという分野はマイナーで、「不思議の国のアリス」のようなおとぎ話が中心だったんじゃないかと思います。そのジャンルがこういった挑戦をする、というのは考えにくいかな、と。


そして、何よりも、本を順不同で読む、という発想は、返す返す、本からは生まれようがなかった、と思うんですよねぇ・・・。


あったとしても、クイズ形式のようなもので、次のページだとすぐ見てしまうので、「解答は〇〇ページへ」とあえて離すくらいだったのではないでしょうか。



それにしても、日本のファンタジー小説も(おとぎ話は別として)、結構古くから本格的なものが出ていたんだよなぁ、としみじみ感じいってしまいました。


それでも、今みたいに当たり前のようにファンタジー、異世界ワールドが認識されるようになったのは、やっぱり1984年以降、「ロードス島戦記」や「スレイヤーズ」が世に出たことが大きかったんでしょうね。


そう考えると、ゲームブックは、ファンタジーブーム以前から誕生していた、と考えた方が自然のようです。



次回は、ファミコンや雑誌の世界にゲームブック誕生のヒントがないか、のぞいて見たいと思います。


(つづく)

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