コミック『五等分の花嫁』を読んでみた⑮
えーっ、雑誌では先週最終回だったのー?!
し、知らなかった・・・。
う、これから最終回を妄想しよう予想しようと思ってたのに(汗)
いや。
私は単行本派ですので、このまま雑誌の内容は見ず
突き進みます
もう巷では正解出てる中で、あえてド外れお構いなしで語ってみるのも、後で答え合わせができて二度おいしいかも。
【※でも第13巻まではネタバレ多いです。】
18.二週目のススメ「本当の主人公の物語を楽しもう」
改めて、もう一度書きます。
『五等分の花嫁』の本当の主人公は中野マルオです。
物語のはじまりは、こんな感じでしょうか。
「中野マルオは大病院の院長。彼にはなんと五つ子の娘がいたが、悩ましいことに五人ともに学校の成績が芳しくなく、せっかく入れた名門女子高校で落第しかけてしまう。なんとかコネを使って五人を退学ではなく別の共学校へ転校させることが出来たが、その転校先で家庭教師を依頼した高校生との出会いが、マルオと五つ子の運命を大きく変えるのだった。」
すでに少しネタバレも含んでいますが、最低限の情報としてはこんなところじゃないのかな、と思います。
そして、風太郎への家庭教師の依頼から読み進めていくのですが、相変わらず電話の向こうのマルオは常に冷静であり、会ったときの顔はいつも無表情です。
でも。
もう、私達は知っています。
マルオが、五つ子の母・零奈を高校時代から慕っていた想いを。
マルオが、零奈と五つ子を捨てた元夫・無堂先生へ持つ怒りと感謝の気持ちを。
マルオが、零奈の病気を懸命に治そうとして、それが適わなかった無念を。
マルオが、零奈を救えなかった贖罪と五つ子への愛情から養父になったことを。
マルオが、どんな時でも五つ子の幸せを考えていることを。
マルオが、常に零奈と五つ子の家族に入っていいのか、という逡巡を抱えていることを。
そして、
一週目で、まんまと読者からこれらを隠しおおせた作者の巧みな描写意図を。
・・・フフフ
最初から、めいっぱいマルオの味方になって読んでやる(笑)
19.ボーイミーツ・・・
・・・ヤバイ
マルオ視点で読み直してみているんですが、
マルオの無表情の裏にあるであろう気持ちを考えると
いちいち感情を揺さぶられてたまらないです。
ちょ、ちょっとタンマ・・・
ということで、ちょっとこの作品のテーマ話に逃げます(笑)
この『五等分の花嫁』、家庭教師や五つ子といった要素がありますが、テーマで言えば、割とシンプルに「ボーイミーツガール(ズ)」ものだと思います。
10年前の出会い、5年前の再会、そして現在の結婚式。
時系列も、きれいに5年区切りで、3つの時代で分けているので読者も登場人物のふるまいに対して、混乱することなく受け入れることができます。
ただ、これは
風太郎を主役とした場合のテーマです。
これが主人公がマルオだった場合、なかなか複雑になります。
・零奈との出会い(おそらく初恋?)は、同じく「ボーイミーツガール」
・無堂先生に初恋の相手を奪われるので「寝取られもの」(汗)
・五つ子との絆を深めていく「家族愛もの」
・娘の結婚に対する葛藤は「父娘もの」
マルオだけで、これだけのテーマを背負っているのですから、そりゃあ感情移入もはかどるというものです。
ただ、「二週目のススメ」という考え方をした場合、個人的にはこれがしっくりくると思います。
一週目の風太郎は「ボーイミーツガール(ズ)」
二週目のマルオは「ボーイミーツドーター(ズ)」
マルオにとっての「ボーイミーツガール」零奈は、彼女の命を救うことができずバッドエンドを迎えてしまいました。
でも、彼女が残した5つの生命との出会いが、彼を絶望の中の最後の希望として残った。
そんな彼女達の成長を支え、家族となり、父親として幸せな未来へ送り出す。
マルオにとっても読者にとっても二週目の「ボーイミーツガール」、
「ボーイミーツドーター」
がこの作品のテーマなんじゃないかな、と感じました。
いかがでしょうか?
あ、最終回予想までいかなかった・・・
(つづく)
※本記事で掲載されている画像は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しています。