だむち~だって無知なんだもん~

底の浅い私、さくらだ が気になった主に漫画やアニメ、ゲームをぐだぐだと語っています。

コミック『五等分の花嫁』を読んでみた⑬

16.もう一人の・・・?


【※今回もネタバレ多いです!】


前回、風太郎からみた人物相関表をこしらえてみました。


当然、主人公だけあって、世代が違うキャラクター以外はほぼ直接関係を持っていたのがお分かりいただけたかと思います。


ただ、風太郎と同じぐらい、いや、もしかしたらそれ以上に主要人物に関わりを持っている人間が、5姉妹以外にいます。



そう、中野マルオです。


マルオは風太郎が5姉妹の家庭教師につくきっかけを作った人間ですので主要キャラであることは間違いないのですが、


きっかけ以上に、物語のセンターラインに常に存在しているキャラクターではないでしょうか。



それを見やすくするために、いま一度 人物相関表を使ってみたいと思います。



前回、風太郎との関係を書きましたが、その隣にマルオとの関係表を追加してみました。


するとこんな感じです。



想像以上に、主役属性を持っています。



この存在感。



「五つ子の父親なんだから、ある程度は当然」
という考え方もありますが、あまりにキーパーソンとの直接的なつながりが強く、それだけで説明をつけるのは難しいレベルに感じます。



この不思議な構図はどういうことでしょうか?


ここで一つの仮説が浮かんできます。



なぜならば、
中野マルオがもう一人の主人公だからではないでしょうか。




いや、この妄想の勢いで言わせてください。




マルオこそ、作者からみた主人公なのかも知れません。



考えてみると、漫画家にせよ、小説家にせよ、物語の作り手は、登場人物に生命を吹き込むにあたって、彼ら彼女ら全員の人生を自分の中に取り込んで描かないといけないという宿業を背負っています(と勝手に思っています。)



とは言え。


「バイト先の店長」や「前田」は、もしかしたら物語の裏側でドラマチックな人生を進んでいたとしても、それは表に出す必要のない生き様ですので、作者の胸のうちに収めておけばそれで済みます。



では、中野マルオはどうでしょうか。


彼は、物語の最初から登場し、風太郎の小学生時代にもその面影を見せ、それどころか風太郎が出てこないさまざまな場面でも、関係し続けています。


ですから、
作者は中野マルオの人生を一緒に背負わないといけない。



もう少し具体的にしてみましょう。


マルオ視点で『五等分の花嫁』という物語を見ると、こんな流れになっているはずです。
(単行本 第13巻までの情報をもとに整理)


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・(高校時代マルオ)
  零奈に憧れて、ファンクラブ会長になる
  勇也とは同級生(下田も?)
  ※無堂先生もいた可能性あり


零奈と無堂先生が結婚したことを知る


零奈と無堂先生の間に五つ子が出来たことを知る
 直後、無堂先生が失踪したことを知る


・零奈と五つ子の極貧生活を影ながら見守る


零奈の体調が優れないことを知り、自分の病院で面倒を見る


零奈死去。(憧れの先生を救うことができず)

 五つ子の父親になることを決意し、引き取る


・五つ子を黒薔薇中学・高校へ進学させる


五つ子(四葉)が試験をクリアできず落第
 人脈を使い、転校手続きを経て、風太郎のいる高校へ


・転校タイミングで、勇也から家庭教師の打診あり。消極的ながら受け入れる


・中間試験はノルマ失敗となるが、二乃に上手くごまかされる
 風太郎の家庭教師を継続


・期末テスト前、風太郎から、二乃と五月の家出を知らなかったことをなじられる
 風太郎から家庭教師辞退の申し入れがあり許諾。合わせて自宅出禁に


風太郎の自宅出禁に腹を立てた五つ子が家出し、安アパートを借りる
 江端にアパート契約時の保証人など手続きを指示(したと思われる)
 アパートで風太郎が家庭教師をしていることを知る


・二度目の落第を懸念し、五月を呼び出して家庭教師を二人体制にするよう提案
 落第した場合、別の学校への転校する羽目になることを伝える(転校先ネゴ済み)
 が、五月は風太郎の家庭教師だけで大丈夫と宣言


・期末テストは全員クリア


・義父の旅館へ家族旅行(義父の余命があまりなことを知っていた?)


・五つ子がバイトを始める(江端が身元保証人をサポート?)


・文化祭開催
 二乃のパンケーキを食べる。お互いの気持ちが通じあう


 零奈と五つ子を見捨てた無堂先生登場。五月とともにこれを退散させる
 これにより家族の絆が深まる


五つ子の誰かの結婚式
 出ないようにしていたが、勇也に後押しされて出席することに


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だだーっと書いて、おそらく抜けも多分にあるかとおもいます。
(小学生時の五つ子の修学旅行で迷子になった四葉を見つける話とか・・・)



としても。



どうですかっ



こんな激動の人生を歩ませるキャラクターに対して、何の思い入れもなく作品を作れる作者がいるとは思えません。



「本当の主役はマルオ」説、どうでしょうか?


このお話、もう少しだけ引っ張りたいと思います。


(つづく)


※本記事で掲載されている画像は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しています。

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