だむち~だって無知なんだもん~

底の浅い私、さくらだ が気になった主に漫画やアニメ、ゲームをぐだぐだと語っています。

コミック『五等分の花嫁』を読んでみた⑧

9.『五等分の花嫁』と『ヴァン・ダインの二十則』その2


思いのほか、「『五等分の花嫁』ミステリー規則に則っている説」がうまくハマッているので少し嬉しい さくらだ です。


さて、今回もWikipediaより引用させていただいた『ヴァン・ダインの二十則』を使って、『五等分の花嫁』が読み解けるか続けてみたいと思います。


読み換えワードはこんな感じ


探偵:花婿
犯人:花嫁
殺人:恋愛
事件:告白
死体:フラれ役
捜査員:脇役
などなど



6.探偵小説『五等分の花嫁』には、必ず探偵花婿役が登場して、その人物の捜査行動と一貫した推理想いによって事件告白を解決しなければならない。


かなり読み換えてしまいましたが、風太郎という主人公が自分の心をコントロールしている(風邪でハイになっていた時は別として!)キャラクターとして描かれている部分、このルールに沿っているんではないかと思います。


そして、意外にどんな作品よりも、主人公である風太郎が告白に向かって突き進んでいるキャラであることも見逃せません。



7.長編小説『五等分の花嫁』には死体フラれ役が絶対に必要である。殺人恋愛より軽い犯罪片想いでは読者の興味を持続できない。


な、なんてヒドイこと言ってるんだヴァン・ダイン(言ってない)


ただ、確かに、ここまで話を引っ張ったら、告白してフラれないと逆にモヤモヤが残ってしまいます。五月あたりが、このグレーゾーンに入っているかも知れません。


言ってること、分かったよ、ヴァン・ダイン(言ってない)

(※個人の感想です)



8.占いや心霊術、読心術などで犯罪片想いの真相を告げてはならない。


これはすごく当てはまっている気がします。


ギャグならともかく、ラブコメで勝手に心が読み取られたり、口にしないまま告白が完了したりするのはNG、とまではいかなくとも、かなりの表現テクニックを駆使しないと物語を盛り上げるのは難しいと思います。


その点、『五等分の花嫁』は二乃のどストレート告白ファイアーをはじめとして、みんな想いを口にしているのでフェアウェイの真ん中を進んでいるといえます。



9.探偵花婿役は一人が望ましい。ひとつの事件告白に複数の探偵花婿が協力し合って解決するのは推理想いの脈絡を分断するばかりでなく、読者に対して公平を欠く。それはまるで読者をリレーチームと競争させるようなものである。


えぇ・・・


えーと、これってかぐや姫?


これは、花婿と花嫁を読むとちょうど良いのかも知れません。


風太郎への告白にライバルである五姉妹が協力し合って、結果、ハーレムエンドになるのは宜しくない、花嫁は一人が望ましい、と読むと、あら不思議、すっきりとします。


・・・いや、ちょっと無理やりですかね(汗)



10.犯人花嫁は物語の中で重要な役を演ずる人物でなくてはならない。最後の章でひょっこり登場した人物に花嫁衣裳を着せるのは、その作者の無能を告白するようなものである。


これはその通りに読めます。
五姉妹から選ばれず、いきなり最後に登場した六海に全て持っていかれたら読者は納得しないでしょう。



11.端役の使用人クラスメート等を犯人花嫁にするのは安易な解決策である。その程度の人物が犯す犯罪煩う恋愛ならわざわざ本に書くほどの事はない。


これも、大丈夫でしょう。
最初から五つ子の誰かと結ばれると描写しているのが強いです。



12.いくつ殺人事件恋愛騒動があっても、真の犯人花嫁は一人でなければならない。但し端役の共犯者ライバルがいてもよい。


ちょっと読み換えにごり押し感ありますが、この作品はまさにこの花嫁は一人だけ、とうのが軸だと想います。9番でも書きましたが、この作品にハーレムエンドは合わないでしょう。



13.冒険小説『それでも世界は美しい』スパイ小説『お嬢様はお嫁様』なら構わないが、探偵小説『五等分の花嫁』では秘密結社王家マフィア大企業などの組織に属する人物を犯人花嫁にしてはいけない。彼らは非合法な組織政略結婚の保護を受けられるのでアンフェアである。


・・・すみません、完全なごり押しです。
どちらにしても、『五等分の花嫁』には関係のない部分ですので遊んでみました。
なるほど、推理小説ではこんなルールもあるんですね。



14.殺人恋愛の方法と、それを探偵成就する手段は合理的で、しかも科学的であること。空想科学的であってはいけない。例えば毒殺惚れ薬の場合なら、未知の毒物惚れ薬を使ってはいけない。


こわいこわいこわい。


まあ、『五等分の花嫁』は、空想科学とは無縁ですのでセーフ。
(二乃の睡眠薬は、ややヤバいですが。)


でも、他の作品では「催眠術で一目惚れ」とか「目を開けて最初に見た男に惚れる」とか結構無茶な設定を恋愛要素に入れてくる場合もあるので、こういうルールを明記しておくことも必要なのかも知れません・・・



15.事件告白の真相を説く手がかりは、最後の章で探偵花婿犯人花嫁を指摘する前に、作者がスポーツマンシップと誠実さをもって、全て読者に提示しておかなければならない。


!!!


これは・・・!
これ、私の今回の妄想考察を貫く意味で、メチャクチャ大事な項目のような気がします。


ここでは、探偵が「犯人はこの中にいる」と宣言したら、もうそこまでの証拠で事件は解決されなければいけない、ということを言っています。


ということは・・・


この第99話の段階で、告白相手の材料が全て揃った、ということなのではないか、と。


だとすれば、その後にもいろいろなエピソードがありますが、どれも答え合わせや伏線回収で、告白相手を選ぶ直接的な根拠ではない、ということになります。



・・・ほんとか?



ま、まあ、楽しみ方の一つとして、もう少し妄想を膨らましてみましょう。


(つづく)


※本記事で掲載されている画像は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しています。

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